HOME>スポンサー広告

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
HOME>シュタイナー学校の日常

狸にやさしく

子供というのはミニクイズが好きな生き物で、先日も娘・ぴーぽこ(仮名)が、こんな出題を。
ぴーぽこ「おとうさん、今日学校で、何の動物を見たでしょうか?」
私(真面目に)「猫?」
ぴ「違う」
私(冗談で)「じゃぁ・・・?」

「 当 た り 」

・・・って、正解かい!?
私としては、ぴーぽこの「狸なんている訳ないじゃん」というツッコミを想定してのボケだったのだが、それがよもや正解とは。ボケ殺しである。

それにしても、ここは23区外とはいえ、まがりなりにも東京都内、最寄り駅周辺はそれなりの繁華街、そこから住宅街を挟んで徒歩10数分のこの学校に、狸が出るとも思えない。
また、狸の様子を聞くと、昼日中つがいで現れて、子供達が見守る中、暫し逃げずにくつろいでいたという。
元来、狸は夜行性、性質は臆病なものだ。急に驚くと失神し、「死んだか」と思って近付くと、息を吹き返して逃げ去る、そこから「狸寝入り」という言葉が生まれたぐらいのものだ。そんな威風堂々とした狸は聞いた事が無い。

考え得るのは帰化・野生化したアライグマ。これを狸と見紛うた。アライグマは可愛い外見ながら凶暴である、子供にとって危険度は高い。

担任のウール先生(仮名)との連絡帳を通して聞いてみると、矢張り狸に相違ない。以後、本来子供の様子をやりとりすべき連絡帳に、半分近く狸の話題を書く私。

・・・私も狸を見たい!会いたい!

そんな私の願いは、日を置かずあっさり叶う。生徒のオイリュトミー発表会の日、親達が外で待機していたら、「狸!狸!!」の声。
見ると、確かに紛う方なき狸が一匹、門前の道路を普通に歩いて、藪へと消えていった。あたかも、野良猫の様なナチュラルさで。オマエは野生動物だろ、もっと夜走獣らしく振舞いなさい、なんだ、そのスナック感覚の出没っぷりは!と、説教の一つもしたくなる。

ともあれ本当に狸はいた。

シュタイナー教育においては、子供の「直接体験」を重視する。
土や石、木や草花、虫などの生き物に直接触れ、見、嗅ぎ、自然の音を聞く。食べられるものは食べてみたり、とにかく五感を使って自然に触れる。
この時、例えば植物の名前ぐらいは教えるが、「○科に属する○年草で~」などといった知的な事は教えない。それらは高学年の「植物学」で学べばよい。
それより、「この花をこうして舐めると甘いよ」とか、「この葉っぱで笛が出来るよ」「こうすると花の首飾りになるね」という遊びが、子供にとって、重要なのだ。
このように動物、植物、鉱物に触れた子供の心は、次第に「世界」に対して開かれてゆく。

してみるとこの学校を取り巻く環境は、有難い事に実に恵まれている。
通学路の緑道は澄んだ小川が流れ、鯉やハヤ、時にはオイカワ等が泳ぐ。
水鳥も多く、鴨の親子は無論、シラサギやカワセミ、先日なぞは鵜までいた。
子供達は熊笹の葉で笹舟を作っては、この小川に浮かべる。
また、シャガやムラサキシキブ、曼珠沙華などの季節の花、春は桜に秋は紅葉と、長くなるので割愛するが、私がモンゴメリだったらこの緑道の描写だけで10ページは軽い。

また、緑道から学校を挟んだ向こうを流れる多摩川の景観、私がモンゴメリなら2、30ページは軽い。
改めてこのような自然豊かな環境を鑑みれば、狸がいたとて不思議ではないかも知れない。ただ、臆病で夜行性の狸は、普通不用意に人前に姿を現さないだけだ。

数日後、親の「朝の会」の最中に、学校の干し柿を、狸が今まさに食べている、との報告が入った。私と数人の母達は、不謹慎にも朝の会を抜け出し、子供達が作った干し柿を吊るした場所に向かう。
現場では、件の狸が当たり前のような顔で、下段の干し柿をはむはむと頂いている最中。手を伸ばせば届く距離まで近付いても逃げようともせず、半熟の柿を食み続けている。

その狸の姿を見て、胸が痛んだ。
背中から脇腹にかけての体毛が殆んど抜け落ち、地肌が露呈している。背中の一部などは赤くただれている。皮膚病だろうか。また、毛の抜け方から、副腎の病気によりホルモンバランスが崩れた可能性もある。
目も、よく見えていない様である。
無事にこの冬を越せるだろうか。

ともかく生徒達が吊るした干し柿を拝借している狸を、母達は誰一人追い払うでもなく、優しく見守り続けた。
衛生上、狸の爪が届く範囲の柿は、子供達には諦めて貰うしかない。
それより、この狸が、これから本格的に到来する冬の寒さを乗り切る事を願うばかりだ。

ぴーぽこら一年生は、皆狸が大好きで、外での授業中に狸が出るとそれは大喜びで見ているそうだ。
狸も心得たもので、子供達が見守る中、毛づくろいなどしては(たいして毛も残ってはいないが)やがてどこかに去って行くという。
身近で野生動物を目にする、という貴重な「直接体験」、この狸の存在は、きっと子供達に自然への優しさや慈しみ、といった事を教えてくれるように思えてならない。

それにつけてもこの学校、最近鼠や猫も現れた。そこに持ってきて、狸。
順不同だが、ときたら、今にカッコウもやって来るに違いない。
って、それじゃ「セロ弾きのゴーシュ」だっての。
スポンサーサイト

この記事のトラックバックURL

http://akiotome.blog123.fc2.com/tb.php/10-bf1b7550

コメント

見たかったよ~~
私が行けないときに限って面白いことが起きるんだから…

息子は月曜日から復帰できそうです。
私は金曜日の夜に39℃の高熱がでて、土日はぶっ倒れています。
「え」が2回出てくる言葉探しに憑かれています。

憑かれて疲れた。
え~~?
カッコウいるよ~。(あっさり)
春先に今年も去年も鳴いていた。
「たぬき!たぬき!」と叫んだのは私です。
だって前住んでいたマンションの庭に出たたぬきそっくりだったんだもん。
あの時も「な~~んか、薄汚いペルシャ猫がいるわねーー」とおもったら、たぬきだった。
その経験が生きましたね。
しかし、確かに、ちょっと可愛そうな風貌ですね、それは。ちなみに教室には蜜蝋クレヨンやらお弁当の残りや子どもの忘れたおやつの残りでネズミがでているし、冬になれば収穫したトマトを下駄箱の上においといたらヒヨドリがつついて食っちまったのよ。
ちなみに緑道はカワセミがでることで有名だし、うちの近所の公園にはメジロが巣を作っていたよ。今年はなにに出会うかな~~。
大きな道路に近いのに珍しいねー。
藤野ではカラスみたいな顔してとんびが普通にいるけどねー。
猪もいるよー
>25さん
狸はまだ出没してるみたいだよ。もう見た?
今週は私も熱出してました。峠は越えたけど、まだ微熱が下がりません(--;
今頃学校では学習発表会やってる頃…。見たかったなぁ。。
お互い、お大事に^^

>ミニョンの母さん
やっぱ既に来てたか、カッコウ^^;千客万来ですね。
そうか、あの「狸!狸!!」は、貴女でしたか。マンションの庭に狸?そういえば以前住んでいた埼玉の住宅街にも狸がいるって噂が・・・。結局狸は見なかったけど、夕方ハクビシンが道路を横断しているのは見たっけ・・・。
ところで学校に出た狸は、実は「薄汚いペルシャ猫」なんじゃないかと思えて来ました^^;無事に冬が越せますように。。
来年あたりはムジナとかやって来ないかなぁ。

>あいぴょんぴょん
そりゃ「神奈川のチベット」だし、あれだけ自然豊かな環境なら、とんびや猪ぐらい普通にいそうだよね^^イタチや野ウサギとかもいるんじゃない?
そういえばこっちではたまにヤマカガシも出るそうです。
春には例の「大きな道路」の横断歩道を鴨の親子が渡っていたよ。(ちゃんと青信号になってから)

コメントする

管理者にだけ表示を許可する

  Template Designed by めもらんだむ RSS

special thanks: Sky Ruins, web*citronDW99 : aqua_3cpl Customized Version】


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。