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HOME>シュタイナー学校の人びと

食育の破壊神

私が初めてカーリー先生(仮名)を見たのは、娘・ぴーぽこが入学前、二年前のオープン・スクールの時であった。
推定年齢・10万70歳は超えているであろう、恰幅の良い老婆である。
その老婆が、働く子供達を叱咤激励していた。いや、「叱咤激励」と書くと聞こえが良い。どちらかと云うと、「女版・毒蝮三太夫」とも云うべき口汚さで野次を飛ばしているのだ。

「ホラ、そこ、何やってんだい!シャンとするんだよシャンと!この馬鹿野郎!!」

といった具合に。
私は度肝を抜かれた。シュタイナー教育の現場には似つかわしくない。
妻・みぽちなどは「あの婆さん、何処で拾ってきたン!?」等と云っていたものだ。

入学して聞いたところによると、このカーリー先生、現在の学童体制が整う以前、この学校の学童を支えて下さっていたという。今でも時々学童のサポートに入って下さっているそうだ。
驚いた事に、意外な程親達からの信頼が厚い。
いささか口汚くはあるが、それ以上に子供達を見守る眼力、洞察力は確かなものであり、それは子供達への慈愛に裏付けされたものらしい。
現に子供達もよく懐いている。ある高学年の男の子等は、カーリー先生と軽く云い合いをした時に、露骨に不愉快な表情を浮かべていた。いくら子供とはいえ、赤の他人に対して出せる表情ではない。恐らく家族にしか見せない表情を、心許せるカーリー先生に対しては見せているのではないだろうか。

このカーリー先生、事ある毎に子供達におやつを差し入れして下さる。
さて、シュタイナーは百年前から、今で云う「食育」に通じる事も述べている。
食材をただの物質として扱うのではなく、それが形成される過程にまで目を向け、そのエネルギーも込みで意味のあるものと説いているのだ。
例えば大麦等の穀物は太陽のエネルギーを浴びて形成される。それらを食べる事で、我々の中にも太陽のエネルギーを取り入れる事が出来る、というのだ。

また、我々の頭部に当たるのは、植物においては根である。だから頭部の形成力が弱い人は、積極的に根菜を摂る事で補える。
この辺り、シュタイナーは色々と面白い考察を行っているので、またいずれ詳しく紹介したい。

「エネルギー」と云うと分かりにくいかも知れないが、例えばこうだ。
日本では古くから浄化の為に、「盛り塩」というのを行う。これは浄化のパワーがある「海」の塩を置く事で、その周囲を浄化する。
ところが、これが科学的に精製された塩では浄化の役には立たない。それはただの塩化ナトリウムという物質にすぎず、せいぜいなめくじが避けて通るだけの事だ。

この様にシュタイナーは、食材にもそれぞれのエネルギーがあると述べているので、シュタイナー教育を目指す人は極力ジャンクフードを避け、自然食を求める傾向が強い。

さて、以前の学習発表会での事。
進行役のキャベツ先生(仮名)が、来賓席のカーリー先生の紹介を行う。ざっと略歴を紹介した後、
「カーリー先生は子供達の食育を大事にして下さっていて、今日も子供達に沢山のおいなりさんを差し入れて下さいました」

会場に拍手が起こった次の刹那、カーリー先生、すかさず大声で、

「それと、コーラの飴もね!」

・・・我が耳を疑う。「食育」と云ってる傍から「コーラの飴」って。食育とはおよそ対極のジャンク・フードである。
「コーラの飴」、「甲羅の飴」、つまり「べっ甲飴」か?等と勝手に解釈しようとする私。そこに再度、

コーラの飴、コーラの飴

と、云い切る。
キャベツ先生も自ら「食育」と紹介した手前か、「コーラの飴」はスルーの方向で。
躍起となって

「それとコーラの飴だよ、コーラの飴!」

と連発するカーリー先生。
「食育」「ジャンク」もさる事ながら、「おいなりさんコーラの飴」という取り合わせも如何なものか。まさに「清濁併せ呑む」の精神。

数日後、その日は一寸したイベントの日。
校庭で夏の日差しを浴びて力仕事にいそしむ父達を尻目に、私は室内で母達と共に食べ物の仕込みを行っていた。
そこに、カーリー先生登場、
「皆で食べな!」
と、テーブルに無造作にのキャンディを広げる。
「いただきま~す!」と青色2号の塊を頬張る私に向き直ったカーリー先生、
「あんた!あたしゃ前からあんたに聞いてみたかったんだよ!」
改めて見ると、化粧が厚い。シャドウのキリリと入った目で私を見据え、

「あんた、男か女か、どっちだい!?」

私が生物学上はオスに分類される事を告げると、

「あぁ、ぶら下がってるほうかい!!」

って、何だ、その分類法!ぶら下がってるって、何がだ!?・・・おいなりさんか。
更にこの破壊の女神は、

「あたしゃ酔っ払うとち○こま○ことかそんな話ばっかだよ!」

て、聞いてねーよ、そんな事!真ッ昼間、神聖な学び舎で、何を大いばりで口走っとるか!

・・・ともかく、この破壊神・カーリー先生とは、仲良くなれそうな予感。
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コメント

江戸っ子なんだよね
コーラのあめ、子どもたち恐る恐る食べて、けっこうおいしいって言ってたな。食べたことがない子がほとんどなんだよね。
ぴーぽこちゃんのお父さんについては、「ぶら下がってますか、って聞いたら、ぶら下がってますって言ってたよ。おもしろいね~」って楽しそうに話していたよ。
学童ですいとんとかあんかけ焼きそばとかかき揚げとか、すごいごちそう作ってくれる。私は大鍋の鍋振りを伝授されたよ。すごくしごかれたけど。

母が亡くなったとき、ご自宅に私と息子を呼び出し、洋食屋とラーメン屋のはしごで、ごちそう攻撃してくれた。
父が癌で、手術のために私が札幌に行くと言ったら「自分のことに使いな」と大枚を包んでくれた。
いつまでもお元気で。
「恐る恐る」ってのがいいね^^学童ではよく氷砂糖を頂いている様ですが。

記事の会話がなされた後、何かの折に「ぶら下がってますか?」とか聞かれたけど、他に答えようが無いでしょうに^^;
「見ますか?」とか云って、学校で露出する訳にもいかないし。

でも、本当に人情家なんですねぇ。。私ももっと仲良くなりたいです^^そしてゆくゆくは、ああいう老婆になりたいですね^^

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