HOME>スポンサー広告

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
HOME>シュタイナー学校の子供たち

こびとの行進~子供の超感覚~

仕事中のBGMで、グリーグ作曲の「叙情小曲集」を聴いていたところ、近くで遊んでいた娘・ぴーぽこ(仮名)が、俄かに「この曲・・・知ってる!」と云い出した。
「前、七年生が、オイリュトミーをやってた時の曲だ!」

数ヶ月前の学校のオイリュトミー発表会で、七年生がピアノ演奏に合わせて踊っていたのが、グリーグ叙情小曲集の、「こびとの行進」という曲。
それにしても一度しか観ていない筈なのに、よく覚えているものだ。相当集中して観て、聴いていたのだろう。子供の五感、侮り難し、である。

さて、「こびとの行進」の写真。

こびとの行進


文字通りの「こびとの行進」である。
これは、一年生の「手仕事」の作品。

羊毛の「こびとさん」本体は大人が用意する。子供達は、毛糸の棒編みでこびとさん達の服を編むのだ。
ここからが、メルヘン。なんと、服を一つ完成させ、袋に入れておくと、夜の間に本物のこびとさんがやって来て、頭巾の先に可愛い鈴を付けてくれるのだ。

何度も述べてきたが、シュタイナー教育では幼児期のメルヘンを重視する。一年生も、まだメルヘンの世界に身を置いているのだ。
「出来た人は、先生が鈴を付けてあげます」または「お母さんに付けて貰って下さい」ではなく、「夜中にこびとさんが鈴を付けてくれる」、なんと素敵なメルヘンではないか。
勿論、翌日登校してきた子供達は、自分が作ったこびとの服の頭巾の先に鈴が付いているのを見付けては大喜びしているそうだ。

「こびとさん」の正体は、無論、担任のウール先生(仮名)
お忙しい中、学校が終わってから、一つ一つ付けてくれているのだ。

だが、子供達は手仕事好き。毎日どんどん出来上がる。
ぴーぽこなども家に持ち帰っては編み、精力的に仕上げてゆく。
そんな次第で、ウール先生の仕上げも追いつかなくなってくる。こうした時、通常は出来る親がお手伝いするのだが、ウール先生にはある懸念があった。

それは、子供達の、動物的なまでの五感の鋭さである。

休み時間や体育の外遊びで、子供達は目隠し鬼のような遊びをしていたのだそうだ。
子供達がぱっと逃げ、何かの合図で立ち止まる。鬼の子は目を閉じ、手探りでお友達を捕まえ、それが誰なのかを当てる、といった遊びらしい。

それが、鬼になった子達は皆、かなりの確立で自分が捕まえた子が誰なのか当てるのだそうだ。そのあまりの的中率の高さに驚いたウール先生は、子供達に「みんな、なんで分かるの?」と聞いたそうだ。
子供達は、口々にこう答えたという。

「匂いで分かる~!」

・・・って、キミらはかね?

兎も角、これほどまでに感覚が鋭い子供達である。迂闊にお母さんに鈴付けのお手伝いを頼むと、送り迎えの時、隠していても鈴の音で子供に気付かれるのではないか、と、ウール先生は心配していたのだ。子供達のメルヘンの為、これほど細心の注意を払って下さっていたのだ。

が、子供達は無論、そんな事は知りもしない。こびとさんの苦労もお構い無しに、次々と、わんこそば状態で仕上げてくる。
流石のウール先生もたまらず、生徒のクラーク君(仮名)の母・さきすけさん(仮名)に手伝いをお願いした。飽くまでも子供に気付かれないように、と、念を押して。

そんな事を聞いた私、小賢しさを発揮し、さきすけさんにこう提案してみた。
発想を転換し、音を出さないようにするのではなく、むしろ音を出す。
つまり、鈴付きのキーホルダーやストラップ等を、こびとさんを持ち運びするバッグに、見えるように付けておくのだ。これなら鈴の音がする方が当然。いわば鈴の影武者、陽動作戦である。
竹中半兵衛か諸葛孔明か、軍師気取りの私の進言を容れ、さきすけさんはバッグにこびとさんと同じ鈴を付ける事で、お釈迦様にも気付かれる事なく、この困難な任務を遂行したという。

春休みの間にも「こびとさんの服を作りたい!」という子供達もいた為、二年生になった今も、こびとさんはまだこっそり働いているのかも知れない。

子供達のこうした感覚の敏感さには驚くが、果たして自分が子供の頃もこんなに感覚が研ぎ澄まされていただろうか。
私の子供時分は鼻詰まりで、その頃から右耳が難聴ではあったが、少なくとも周囲の世界は、今より鮮やかだった印象はある。

また、ある匂いや音、味を感じ、過去の記憶の扉が開いたり、どうしようもなく懐かしい気分になった、等という話はよく聞く。
例えば私の場合、木酢液の匂いを嗅ぐと、祖母の家の情景やそこで五右衛門風呂に入った事等、色々な懐かしい記憶が蘇る。

また、ある男性タレントさんの話だが、彼が子供の頃、兄が桐のタンスの奥にエロ本を隠していたそうだ。家族の留守を見計らっては兄の部屋に忍び込み、その桐のタンスを開けてエロ本を盗み見していたという。
だから、未だに桐製品、木材等の木の匂いを嗅ぐと、エロい気分になるそうだ。

確かに、子供の頃は今以上に五感が敏感だったように思う。
シュタイナー教育は、子供の直接体験を重視する。
土や水、風や草の感触や匂い。
また、お母さんの子守唄。一流の演奏家のCDを聴かせるより、下手でもいいからお母さんが抱っこして歌ってくれる歌の方が、子供の心の栄養になるのだ。

感覚といえば、私が幼少の砌、よくギャグマンガでありがちな「コショウでクシャミ」、あれが本当なのか検証した事がある。
小皿にコショウを少し出し、鼻を近付け、嗅いでみた。

スッと鼻から息を吸ったところ、コショウの粉末が私の鼻腔に襲い掛かる。コショウによる思わぬ奇襲である。私は、日本人にしては鼻が高い。目測を誤り、コショウに近付き過ぎたのだ。
鼻粘膜がコショウ粉の襲撃を受け、クシャミ連発、それどころか泉のように滾々と涌き出ずる涙と、鼻水。

こうして「直接体験」によって「コショウでクシャミ」を実証した、マンガのような子供が今では漫画家、因果とはかくも恐ろしい。


付記:この日記をアップした日の晩餐。私の手製のカレーを食べるぴーぽこ、こう云った。

「おとーさん。これ、バターの味がする!美味しすぎ!」

確かにこのカレーは、玉ネギ、人参、ホウレン草、パセリを、植物油とバターでじっくり炒め、煮込んだカレー。
スパイスィーな食品からその風味を嗅ぎ当てるとは、子供の五感、侮り難し。

ただ、ぴーぽこよ、残念なお知らせがある。

オマエが・・・いやさ、我が家で「バター」と呼んでいるそれは。

実は、安い、安ぅ~い、マーガリンだ、という事だ。


ブログランキング
乙女への励まし代わりに↓をクリック

b_04.gif
スポンサーサイト

この記事のトラックバックURL

http://akiotome.blog123.fc2.com/tb.php/29-d7cbda43

コメント

そういえば。。。
ジュニアバレーのお世話をしてた頃。
子ども達は、ぐちゃぐちゃに脱ぎ捨ててあるジャージを、刺繍してある名前ではなく「匂いで」誰のものかわかると言っていた。

1枚取っては、あっちでもこっちでもクンクン。
「〇〇の!」とその子に手渡す。
刺繍された名まえは、確かにその子のもの。

20枚近くあるソレを、間違いなく嗅ぎ分ける!
しかも一人ではない。
わかりにくい場合は他の子も近寄ってきてクンクン。
「あ、これは△△のだ」
・・・正解。
私が影武者でーす。
あき乙女さんのナイスアイデアで、安心して持ち運びが出来るようになりました!!
でも学校で『物』のやりとりをするときは、こっそり怪しげに…コソコソとやっております(^^)春休み明け、子ども達はとても頑張って来ました。ウール先生から『びっくりするかもしれません』とか『無理しないで下さいね』とか言われたけど、全部で20人くらいいたかなぁ。
器用に編んで来る子もいれば、形が変形しちゃってる子もいるけど、どの子が編んだ物もみんな手の温もりが伝わってくるのでとても楽しい作業です。
そもそも小人さんの影武者なんて幸せだよねぇ~☆
>まる茶♪さん
それは凄い光景ですねぇ^^;
素直に名前の刺繍を見た方が早いでしょうに、わざわざ匂いでかぎ当てる、鋭敏な嗅覚が養われそうですね^^
そういえば私の童貞時代、クラスの女子の中で数人、擦れ違う時に甘い芳香を放つ娘達がいて。
「女子はあんな良い匂いの汗かくのかぁ。女子はいいなぁ」
などと思っていたものですが、今思うと、香水か何かの匂いでした(--;

>さきすけちゃん
影武者お疲れ様~^^
そっか~、あれから更に20人分のこびと服が・・・。
うちのぴーぽこは休み前にどんどん作ってたから、飽きたのか、お休みの間は作ってなかったけど、子供によって情熱が持続する子や、休み前位にやっとエンジンがかかる子など、さまざまなんだろうね^^
それに、その作業を「楽しい」「幸せ」と云えるさきすけちゃんも素敵ですわσ.σ
きっと子供たちにもさきすけちゃん、いやさこびとさんのそんな思いが伝わってると思う^^

コメントする

管理者にだけ表示を許可する

  Template Designed by めもらんだむ RSS

special thanks: Sky Ruins, web*citronDW99 : aqua_3cpl Customized Version】


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。