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HOME>シュタイナー学校の日常

妖精スプリンクラー

普通の学校では教師や用務員さんといった方々が行う事務や雑務等の仕事を、娘・ぴーぽこ(仮名)が通うシュタイナー学校では、親が行う。
事務は無論、配布物の印刷や分類から植木の水遣り、洗濯まで、それぞれが分担してボランティアで行っているのだ。

私もぴーぽこを送った後、時間がある時は男子トイレの清掃等を行っていたが、今年度からトイレ掃除は高等部の子供達の仕事になった。
さて、今後は何を手伝おうか。

そんな私が目を付けたのが、三年生母のカン・ミヒさん(仮名)である。
彼女は、常に何かを撒いている。

まず、生ゴミを撒く。
と云っても、その辺に無差別に撒くわけではない、それでは単に厄介な人である。
生ゴミを撒くのは、校舎の隅に設置された、「コンポスト」という生ゴミを堆肥化するバケツのような入れ物の中だ。
学童のおやつや講師への昼食等を作る過程で出た生ゴミを、毎朝コンポストに撒く。そして一緒に米ヌカを入れてかき混ぜると、いい堆肥になる。
この作業を手伝おうかと思っていたが、コンポスト周辺には私の天敵であるところのなめくじが出没するとあって、断念。

更に、彼女は校庭に、コーヒーを撒く。いや、液体ではない。親や教師が学校で飲むコーヒー、そのドリップしたあとの残りカスだ。
これが、良い土になる。
以前は砂利が敷かれただけの校舎裏の駐輪場に、彼女がコーヒーを撒きだして数ヶ月、次第に雑草が生え出し、今や青々と茂っているのだ。ある意味、花咲か爺・長期展望版である。

元は工場の倉庫だった学校の敷地、校庭は砂埃立つ痩せた砂と砂利。
カン・ミヒさんと「ここにもコーヒーを撒いて、校庭が良い土に覆われたら、子供達ももっと遊び易いだろうね」と話し合った。
彼女は早速教師に働きかけ、「校庭にもコーヒーを撒いて良い」という教師会の決定を頂き、今では毎朝校庭の真ん中にコーヒーを撒いている。気長に何年も続けていれば、いずれ柔らかな土に覆われた校庭に変貌してゆくだろう。

そして、カン・ミヒさんは、水を撒く。
先に書いた様に、校庭は砂埃が立ち易い。
朝、掃除を終えた子供達は、エポック授業が始まるまでの約15分、外で鬼ごっこや一輪車、独楽回しや、冬場は縄跳び等で遊ぶ。当然、濛々と砂塵が舞い立つ。
少しでも子供達が快適に遊べるように、と、砂埃を押さえるべくじょうろで水を撒いているのだ。

暑い日は勿論水を撒く。
風が強い日も水を撒く。
冬は乾燥するので、水を撒く。
この人は雨が振っても水を撒くんじゃなかろうか、という勢いで、水を撒く。

撒いた端から干上がってゆくので、人手は多いに越した事はない。
彼女の姿に触発された私は、これを手伝おう、と決めた。

さて、シュタイナーは子供の模倣の力を重視している。七歳までは勿論、それ以降もおおよそ三年生ぐらいまで、模倣の力は作用している。
然もそれは、表面的な模倣に止まらず、親の内面まで無意識に模倣しているのだ。

どうせ作業を手伝うなら、内心嫌々行ったり、面倒がってやっつけ仕事をするより、大人自信が喜びをもって楽しく事を行う方が、子供に良い影響を及ぼすだろう。

そう思って子供達が朝の掃除を行っている間、軽やかに水を撒く事にした。

水撒きをしていて気付いたが、回転式のスプリンクラーの様に、ぐるぐる回ると、より広範囲にまんべんなく水が行き渡る。
気分は既にフィギュアスケートの村主 章枝である。両手にじょうろを持って、村主気取りで回転する。回りつつ、軽やかに校庭を駆ける。
傍目には珍妙な行動だが、やってみると楽しい。「独りで楽しい」と書いて「独楽(こま)」、まさに独楽の様に回りながら水を撒く私の姿に、何人かの親は「・・・楽しそうねぇ」えぇ、えぇ、楽しいですとも。

上級生母の紅葉さん(仮名)などは、そんな私を評して曰く、

水撒き妖精みたい」

あら、貴女、私の正体を御存知!?
そう、私は水の妖精・ウンディーネ。おまえは天使の業を考える。しかし、それを知らない。私は、水の成長力を動かす。その成長力は、私の生命素材を作る。

まぁ、自称妖精の戯言は置いといて、こんな私の姿を中・高等部の子供達がどう思っているかは知らない。(またおかしな大人がなんかやってらぁ)ぐらいに思っているだろうが、ノン・シャラン。

低学年の子供達の中には興味深々に、珍獣を見るように私を見る子も。実際に「なんで回ってるの?」と聞かれる事もしばしば。
そんな時、「こうすると水が遠くまで飛ぶんだよ」と、普通にと云うか、凡庸に答えたものだが、いっそ「虹を作ってるんだよ」ぐらいの事を云って、実際にじょうろの口から噴霧される水を太陽に反射させ、虹を作って見せるのも楽しかろう。

ぴーぽこのクラス、二年生の男の子・マーライオンくん(仮名)などは早速私のやり方を模倣していた。子供達も朝の清掃時、自分達が育てている植物に水を与えるのだが、マーライオンくん、じょうろ片手にぐるぐる回っている。砲丸でも投げるつもりか、という勢いで回転しつつ、叫んでいる。

「目~が~ま~わ~る~~~~ッ!!」

・・・止まりなさい。



※ルドルフ・シュタイナー著「天使たち 妖精たち」より抜粋。


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コメント

は~い、またあたしよ
カン ミヒです。
最近大王四神記かっちゃった。いつみるんだよ。毎日ミニョンとモニカとドジョウとヤゴと桑のきとキュウリでせいいっぱいだってのに。
いやいや、これではまるで私が学校の裏を花咲かばあさんしたようではないか。私の前に毎日捨てた人がいるんですわ。それで思いついただけ。コンポストも人がいる時間にミニョンつれて私がいくから目立つだけ。人がまだこない7時半ごろに密かにコンポストやっていく「コンポストの妖精」(私命名)がいるんだよ、あの学校には。まあ、水だけは確かに撒いているね。特に七頭舞の時。いつも助っ人ありがとうです。だってさー、鼻毛がのびるの早いんだものー。なんとかなんないかねえ。(>子供のためじゃないのか!>いや、子供のためでもあるが。)

>ミニョンの母さん
そうそう、この記事だと全て貴女の手柄のようですわね^^;
「コンポストの妖精」さん、そういう方がいらっしゃるらしいことは聞いてはいましたが、詳しく知らなかったので、間違った事を書くよりは、貴女のご活躍に焦点を当てよう、と^^
先日も一人で水撒きしました。人手欲しいッスねぇ。地道にコーヒー撒いて、豊かな土壌を育てましょうか^^

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