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餓鬼道に堕ちし入学式

娘・ぴーぽこ(仮名)を学校に送った後、そのまま私も学校に居残り、学校の手伝いや会議に出る事がある。私はその前の時間、プリンやらシュークリームやらを朝っぱらから食べている事で知られている。
元々痩せ形の私は、それで脂肪分を摂っているのだが、もう一つ理由がある。
話は入学式に遡る。

入学式の会場は、以前「車座面接※」が行われたホールである。そう広くはないホールに、百人を超える在校生が鮨詰めに座っている。
我々新入生の親は彼らの前に、銘々の子供を膝に乗せて座る。流石にこの日はスーツ姿の私の膝の上で、ぴーぽこはいささか緊張の面持ち。

高等部の子供達のリコーダー演奏と共に入学式が始まる。一人一人名前を呼ばれた子供達は親の膝を離れ、まず七年生の子供達から、手作りの羊毛の花の首飾りをかけて貰う。
そして、在校生が見守る花道を通り、在校生の親達手作りの、美しい薔薇(生花)のアーチをくぐる。

そこで、子供達は初めて担任の先生に出会う。
シュタイナー教育ではこの出会いを大切にする為、我々親は子供達に、どんな先生か…名前、性別、何歳ぐらいか、等の情報を一切教えないよう指示されていた。輝くような笑顔で子供達一人一人を迎えるウール先生(仮名)と子供達の、今後八年を通しての初めての出会いにこちらまで感動を禁じえない。
補足すると、シュタイナー学校教師は八年一貫の担任を終えた後、「クラス担当」として、これまでとは違う形で残り四年間を関わることになる。つまり都合十二年、このウール先生と共に、子供達と我々親は今後の学校生活を送って行くのだ。
してみると、周囲に並んでいる新入生やその父母とも、同じく十二年の付き合いになって行く事になる。

ぴーぽこの名が呼ばれる。緊張している証拠に、「はい!」と返事するのを忘れ、スタスタ歩いて行く。
子供達が全員呼ばれると、ウール先生によるメルヘンのお話が始まる。どの子も大人しく聞き入っている。
ぴーぽこも緊張がややほぐれ、真剣な眼差しでウール先生のお話に耳を傾けている。
話が終わると、新入生達はウール先生に導かれて我々が作った教室に入り、初めての授業が行われる、というのが当日の大体の流れ。

親フールとでも何とでも呼ぶがいい、私の膝を離れ、在校生に見守られて花道を通るぴーぽこの後姿に、目頭が熱くなった。他の子供達も、これからぴーぽこと一緒に学んで行く仲間、皆、愛おしい。また、紆余曲折を経てついにシュタイナー学校に入学したのだ、という感動もあり、ついに涙が溢れ出す。
隣に座っている美人ママ・トッケイさん(仮名)も、ハンカチで目許を拭っている。感動を共有したその時、体の異変が私を襲う。

元来、私は猫食いである。猫を食うのではない、猫の様に食う、つまり食事を小分けに摂るのだ。
この日もいつも通り、朝食にトースト一枚食べて来たのだが、いつもより早い時間に食べた為、お昼前の中途半端な時間に空腹を感じ始めたのだ。

この感動的な式典の真っ最中に、腹を鳴らす訳にはいかない。が、私の腹の虫は小さく「クゥ~」と、空腹を訴え出す。空腹警報を発令せずとも己の空腹は己が先刻承知であり、腹の虫ごときに催促される謂われは無い。
それでも腹の虫は治まるべくもなく、「グゥ~」と更なる要求を始める。
じっくり感動させてくれ。自身落ち着かないし、隣のトッケイさんに聞こえようものなら恥ずかしい上、彼女の感動に腹を鳴らして水を差すのも本意でない。誰か私に施餓鬼供養を!

祈り虚しく腹の虫はいよいよ「グゥ~~~」と無遠慮に鳴り出す。身を屈めると圧迫されて「キュ~~」と鳴る。背筋を伸ばしたら伸ばしたで、また鳴る。トッケイさんに聞こえはすまいか?気になり、感動に浸り切れない。

童貞時代、授業中、徒にエロい妄想に浸り、無駄に海綿体が充血して辟易した事が多々あった。云わば生きながら畜生道に堕ちたようなものだが、これはエロと逆ベクトル、例えばふるさとに想いを馳せるなどすれば、荒ぶる御神体はお鎮まりなさる。が、腹の虫はなだめようもすかしようもない。
白河法皇は「これぞわが心にかなはぬもの」~天下の三不如意として「加茂川の水、双六の賽、山法師」を挙げたが、私は彼に「腹の虫の音」も不如意ですよと教えてあげたい。

結局腹の虫は鳴り続け、餓鬼道から這い上がる事もないままに入学式は終了。トッケイさんに腹の虫の音が届いておらぬ事を祈りつつ。


数日後、トッケイさんとも大分打ち解け、入学式の時の話をした時の事、トッケイさん笑って云うに、

「あの時、 随 分 お 腹 が 鳴 っ て た ね ぇ 」

…所詮餓鬼道からの祈りは天には届いていなかった。
これ以後である、私が学校で、腹の虫に先手を打つべくスイーツを食するようになったのは。



※…過去の記事「レディースファッションで面接」参照。
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コメント

いーじゃないですか^^
それでもうインパクト大。すぐお友達ですわ。

それよか朝っぱらからスイーツ召し上がる生活で
どやったらそゆ体型でいられるのか・・・それがウラヤマシスです。
>ちゃい蔵さん
確かにこの一件で笑いあってから更に打ち解けた気が^^;
元々太りにくい体質なんですが、美輪サマ曰く、痩せていると金運も薄いとか(--;せめて弁才天ぐらいふくよかになりたい私ですσ.σ
拍手コメントへのレス
>25さん
ちょーだいちょーだい、甘いやつ^^

>キッコロさん
今度聞かせて~、って、聞いてどうする^^;

>さきぽめさん
うちもだよ(--;流石にゼミナール中に食べる訳にもいかず^^;
前回はしみチョコをゆっくり口の中で溶かす事で対処^^
拍手コメントへのレス
>あいぴょん
この時は普段より大きな音で鳴っておりました(--;

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