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通過儀礼は演劇

シュタイナー教育では、小・中学部の八年間を一貫して一人の担任が受け持つ。そして高等部・九年生へと進むのだが、その区切りとして八年生で演劇に取り組む。ある意味、通過儀礼のようなものだろうか。

今年の八年生は、学校代表のT.T.T.先生(仮名)が受け持つクラス。その八年生の演劇の発表会が行われた。

「新・雪わたり 月夜の幻燈 狐少年学校祭

というタイトルのこの劇、宮澤賢治の「雪わたり」の設定で、狐の子供達が「やまなし」、「注文の多い料理店」、「飢餓陣営」を演じる、というコンセプト。昨年同様、賢治の短編を、それぞれ独立したオムニバス形式でなく、つながりを持って展開してゆく、という構成だ。
効果音や演奏も、生徒達自身で行うというのも、昨年と同じである。

が、今年の八年生は生徒数が多いこともあり、公会堂を借りての、本格的な「舞台」である。昨年は学校の敷地内に建てられているゲルでの公演、狭い中で肩寄せ合って、桟敷席での観劇。これも芝居小屋の様な雰囲気で、会場全体が一体となったようでとても良かったが、小劇場での発表もまた別の良さがある。

そんな、学内のゲルやホールでの発表会よりも圧倒的に広い公会堂の舞台の上で、生徒達は実に見事に演じていた。
八年生といえば十四歳、体も大きく、重くなる時期。また、精神面でも第二次反抗期の頃で、人前で演じる事に照れや抵抗感を持っている生徒もいるだろう。
それでも、舞台の上の生徒達は皆輝いており、演技も演奏も、優しさや暖かさ溢れるものであった。

実は、この学年の生徒達には一寸した思い入れがある。

娘・ぴーぽこ(仮名)がまだ幼児の頃から、ぴーぽこがゆくゆく通う学校選びの候補として、何度もこの学校の発表会等を観に来ていたのだ。
特に、高名なるT.T.T.先生の直々の教え子ということで、この学年の生徒達に注目していたのだ。

当時、彼等は二年生。今のぴーぽこと同じ学年である。
この学校は生徒、教師ともに、良い意味で昭和的なのだが、彼等は殊に、昭和の良い所や美点が凝縮された様な子供達であった。
中には尋常小学校の集合写真にでも写っていてもおかしくないような子供もいた。

その子供達、何人か辞めていった生徒や、途中から編入してきた生徒もいるが、ともかく彼等は今、小・中学部卒業を前に、その区切りの劇の発表で、舞台に立っているのだ。
彼等はまだ大人ではないものの、既に「子供」とも呼べないまでに成長している。
一昨年までは外部として彼等の発表を観ていたのだが、今や同じ学校に通う子の親、という立場で、彼等を観ている。

そして我が子・ぴーぽこは、私が初めて彼等を観た当時の、彼等と同じ学年・二年生の生徒として、彼等の姿を観ているのだ。
そう考えると、感慨深いものがあった。

舞台が終わり、担任のT.T.T.先生の挨拶。彼女は俄かに中空を見上げ、

「根子さ~ん・・・長坂さ~ん・・・」

と呼びかけた。彼等は宮澤賢治の教え子で、故人である。彼等がまだ存命の頃、T.T.T.先生は賢治の教え子達を訪ね、インタビューを行い、その記録映画を撮ったのだ。
彼等が語って下さった様々な事が、この劇中に織り込まれており、T.T.T.先生はその謝意、またお陰で生徒達が賢治の劇をやり遂げた事などを、彼岸の彼等に告げずにはいられなかったのだろう。

唯物的な視点では、T.T.T.先生のこうした言動は、ただ感傷の吐露に過ぎない、という事になるだろう。
が、魂は不滅、という視点に立てば、彼女の言葉に込められた想いは、彼岸の彼等に届くだろう、と思われる。
いや、何だったら、彼等の魂は実際にこの舞台を観に来ていたかも知れない。

ともかくT.T.T.先生のこの姿に、感動を禁じ得なかったのだが、気付くと私の前の席の小さな子供が、しきりに後ろを振り返っている。
どうやら、T.T.T.先生の視線の先を辿り、彼女が語りかけている相手を懸命に探している模様。
いや、誰も居ないから。居たとしても、普通は視えないお客様だから。
ともかくこの坊やの可愛らしい行動が、私の感動を良い具合にクールダウンしてくれた。

さて、この観劇で私の隣に座っていたのは、高等部の女生徒。彼女は昨年、卒業劇で「セロ弾きのゴーシュ」のカッコウ役を熱演した生徒である。昨年度は、そんな彼女演ずるカッコウ役に憧れたぴーぽこ。

「八年生になったら、カッコウの役をやりたい!」

と云っていたものだ。
今年は何をやりたがるだろうと思っていたら、「カンコ」の役。
あ~、確かに、「カンコ」と「カッコウ」は、なんとなく語感が似てるしね~、と思ったが、そんな駄洒落のような話ではない。

この劇内で、狐の学校に招待された「シロー」と「カンコ」の兄妹。狐の生徒達が演じる「やまなし」等を観ていた彼等は、自分達も劇を披露する事に。
ところが二人が始めた劇は、「セロ弾きのゴーシュ」の元に「幸福の王子」のツバメが訪れる、というもので、つまりはパロディ劇中劇である。
このツバメ役が、「カンコ」。

「だから、『カンコ』がやりたい」と、ぴーぽこ。

ツバメの役もやれるから!」

って、カッコウの次はツバメ、またかい!

今に「鳥人間コンテストに出たい」などと云い出すんじゃなかろうか。


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コメント

ゴールデン
カンコとシロー役は過去「森は生きている」「オキクルミと悪魔」でもなくてはならない芝居を引っ張るムードメーカーで、ゴールデン中のゴールデンですね。この二つのお芝居は斉藤公子さんの保育園でとりあげられたというのだけれど、斉藤公子由縁の保育園、私の上の子も通っていた同じ保育園から通っている子が2名いて、もう、涙涙でした。まさに「あの小さい、かわいい##ちゃんがこんなに大きくなって、、、、」
私がおばちゃんになる訳です。
みんなすごい
私が今回特にすごいな~と思ったのは、編入の子たちの立ち姿の変化です。

こんざぶろうも山猫裁判長もバナナン大将も曹長も編入してきた時を知っているので、感慨深かったです。

険しい表情だったあの子が、うつむきかげんだったあの子が、斜めに傾いていたあの子が、、、こんなにまぶしい笑顔で大きな声でまっすぐ立って演じている。
すごいな。

翌日、バナナン大将と一緒の電車に乗りました。
千葉から通う彼女は漢字ノートを広げてこつこつ宿題をしていましたが、二駅すぎたあたりでペンを握ったまま爆睡していました。
お疲れ様(^-^)/
>ミニョンの母さん
まさにゴールデンですねぇ^^狂言の太郎冠者、次郎冠者のコンビもゴールデンだったけど、カンコとシローも素敵でした。。って、太郎冠者=カンコの彼女はクイーンオブゴールデンですわね^^
劇終了後にシロー役の生徒と間近で話したけど、メイクがまた似合ってて^^
彼女達のみならず、どの生徒もそれぞれに素敵でしたねぇ。。

>25さん
本当は、去年の劇の感想日記のように、ひとりひとりについても触れたかったんだけど、流石に今年は生徒数が多くて割愛しましたよ^^;
編入してきた生徒達、それと感じないぐらい、舞台上で一体となってましたね^^
今回の劇、公演に至るまでは色々あったようだけど、それも含めて貴重な体験だったでしょうね。。
バナナン大将、学ぶのも大事だけど眠るのも大事だからねぇ^^英気が養われたことでしょう。。
本当にお疲れ様です。。

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