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HOME>家庭でシュタイナー

イメージと比喩とメルヘンと

シュタイナー教育は、「イメージ」を重視する。イメージを形成する力が、現実の世界を強く生きて行く活力になるからだ。
何故か。

それについては、ここでは述べない。それを一から説明しようとすると、それだけで相当長くなってしまうので、割愛する。

ともかく、子供は本来、豊かなイメージの世界に生きている。大人にとってもイメージは大事だが、子供より経験や知識の豊富な大人の場合、それが内面から湧き上がるイメージなのか、過去の記憶に基く表象なのか、判別が難しくなってしまう。

…って、のっけから話が固いっての!まるで屹立したちんぽの様に固いって。このブログの趣旨は、シュタイナーについて金玉袋の様に柔らかく述べる事なので、分かり易い例を出そう。

以前、何かのシュタイナー関連の本で読んだのだが、例えばメルヘンを子供に語って聞かせる時、「お城」が出たとする。子供は「お城」を知らないなりに、「お城」について、豊かなイメージを展開するのだそうだ。
そこに、大人がお城の絵なり写真なりを子供に見せて、「これがお城だよ」と示してしまうと、子供の中で、イメージが固定化されてしまう、というのだ。
絵本の読み聞かせも良いが、素話だと更に良いのだろう。

大人が例えば司馬遼太郎の「新選組血風録」を読んだとして、自分なりの土方歳三の像が思い描ければ、それは「イメージ」であろう。が、それが栗塚旭にそっくりなら、それはテレビドラマの記憶による表象と云える。
…って、例えが古過ぎるっての。栗塚旭主演のドラマ版「新選組血風録」、1965年放映だって。私、生まれてないっての。

本来、子供の持つイメージ形成能力は、大人が考える以上に豊かなものだ。
私の場合も、幼稚園の頃、先生が語る話(教会の園なので、聖書の物語だった)を聞く度、見たことのない筈の昔の外国の映像が、スクリーンに映し出されるかの様に展開していたものだ。こうした経験は、多かれ少なかれ誰もが持っているだろう。

童話や昔話の中には、時として残虐な場面が登場する。有名な「灰かぶり(シンデレラ)」では、手がかりの靴を無理からに履く為、意地悪な姉達はそれぞれナイフでつま先や踵を切り落とす。また、この二人の姉は、最後に鳥によって目を潰されてしまう。
映像化したらスプラッタな場面だが、それは飽くまで大人の見解。子供はこうした場面のスプラッタ性などではなく、そこに込められた叡智を受け取っているのだそうだ。

ここで、「桃太郎」という落語を紹介しよう。
お父っつぁんが坊やを寝かしつけようと、桃太郎の話を始める。
が、坊やは寝るどころか、

「『昔々』って、いつです?何時代?」

「『ある所』って、どこです?」

「『お爺さんとお婆さん』の名前は?」


などと、いちいち突っ込んでくる。
業を煮やしたお父っつぁんは、桃太郎の粗筋を一気にまくしたて、
「おめぇも大きくなったら桃太郎のように…なんだ、もう寝ちまったのかい、子供ってなぁ罪が無ぇな…アレ、起きてやがら。なんだ、目玉をギョロギョロさせやがって」
「お父っつぁんの話を聞いたら、寝るもんも寝られませんよ」
坊やは「桃太郎」という名作を、そんな風にあっさり語るとは何事だ、と説教し、物語の解説を始める。例えば、

「犬ってのは三日飼えば一生恩を忘れないんです。忠義に厚いんです。猿には知恵が、雉には勇気がある。『犬、猿、雉をお供に連れて』っていうのは、『仁・智・勇を身に付けて』ってことなんです」

といった具合に。一通り講釈を垂れたところで、
「分かったかい、お父っつぁん?…アレ、寝ちゃってら。まったく大人ってなぁ罪が無ぇなぁ」
というオチ。

無論、この落語には、「最近の子供はこまっしゃくれて理屈っぽく、一筋縄には行かない」というアイロニーが込められているので、実際に子供が「犬・猿・雉」を「仁・智・勇」と理詰めで解釈している訳では、当然ない。
が、子供は、猫やコアラやインコではなく、「犬・猿・雉」である必然性、それらに比喩されたものを、イメージを通して、無意識の奥深くで感じ取っているのだ。

こうした事柄を理解せず、表面的に解釈する大人によって、昔話の残酷な場面等が改竄される。
お婆さんを殺して婆ぁ汁を作り、それをお爺さんに食わせた「かちかち山」の狸が、最近の本ではお婆さんを殴って逃げただけ。まぁ、お年寄りを殴打するなど言語道断だが、その後狸が受けた執拗な報復を思うと、むしろ狸が哀れにすら思えてくる。
で、最後に狸も改心して、皆で仲良く暮らしましたとさめでたしめでたしって、何だそりゃ。

元来、古くから伝わるメルヘンや神話等は、人類の根源的な叡智を、比喩を通して語っているのだそうだ。
「こめんぶく あわんぶく」とグリム童話の「灰かぶり」、「浦島太郎」とケルトの伝承「フェヴァルの息子ブランの航海」等に共通性が見られるのも、その背後にあるものが人類に共通したものであるからだろう。各国の神話の共通性まで言及すれば、それこそ枚挙に暇が無い。
それと同時に存在している相違性は、それぞれの国や民族特有の背景を反映しているのではないか。

九歳頃までの子供、特に第一7年期に、こうしたメルヘンを繰り返し語る事で撒かれた叡智の種子が、大人になってから現実を強く生きる力として開花する。

特にグリム童話は「叡智の比喩」の宝庫なのだそうだ。
ルビコン世代(九歳)未満のお子さんをお持ちの方は、早速グリム童話をお子さんに語って頂くとよいだろう。
特に第一7年期のお子さんなら、例えば寝る前などの決まった時間に、同じ物語を一ヶ月(厳密に云えば28日間)繰り返して聞かせる事をお勧めする。

シュタイナーによると、そもそもグリム兄弟が編纂した童話とは、中世に吟遊詩人達が、大人に向けて「比喩を通して」語った叡智の物語が原点なのだという。

固さや柔らかさの比喩に、「ちんぽ」だの「金玉袋」だのを持ち出す当ブログとは訳が違う。


※…0~7歳。シュタイナーは人生を7年周期に区分した。


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コメント

一ファンとしては
久しぶりですねー!一ファンとしては戻ってきてくれてうれしいです。新しいネタがそろそろなくなってきたんではないですか?
シュタイナーの著書を読まず、
貴ブログでシュタイナー教育の勉強をしています。
あき乙女さん的柔軟性、堅固性もまた子供の教育に必要な要素では
ないでしょうか?
今朝お会いしたので遊びにきてみたら更新されてる!
嬉しくてコメント残しました。

現在第一7年期まっただ中の娘。
あまりファンタジーなことを言わない現実主義者なのですが、最近お休み中だった「おはなしのろうそく」を寝る前に読もうかな、と思わせてくれたブログ内容でした。
あ、でも「おはなしのろうそく」、怖いお話は娘にとってほんとに怖いらしく、敬遠されていたのでした。
いやはや子どもの想像力はすごいですね。
大人はまったく怖くないのですがね~。

袋の話は、結婚式だけにしてくださいね(笑)。
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
>ミニョンの母さん
いやいや、書きたいネタはいくらでもありますよ~。八年生の劇とかもね。
ただ、時折記事に書いたか保留してあるか分からないネタとかもあったりね。過去記事に目を通して確認する時間も無いし^^;
かちかち山については前にも同じ様な事書いた気はするんですがね^^;

>ミホマンさん
私の記事は飽くまで私の解釈ですし、過去記事の中には今思うと間違った事も書いてたりするので(--;、シュタイナーの本も併せてお読みになる事をお勧めします^^;
シュタイナーは下ネタこそ云ってませんが、結構面白い云い回しで講演してたりします。多分、今だったら語尾に(笑)とか付いてそうな事とか^^
人智学を厳かなものであると同時に、柔らかいものとして伝えようとしている感じです。「柔軟性、堅固性」は確かに大事ですよね^^

>nemoさん
あの時はどうも~^^
お子さんが怖がるお話は避けた方がいいかもしれませんね~。で、どんな話やどんな場面を怖がるのかを考えてみると、お子さんの魂について何かヒントが見付かるかもしれません。
子供って、大人からすれば何でもないようなもの、他の子供達は全然怖がらないものを怖がる事もありますね。
私も幼少の砌、お手洗いに貼られていたカレンダーの、天使の絵が怖くて仕方ありませんでした。前世で天使に対して背徳的な事をしたのかもしれません^^;
>袋の話は、結婚式だけにしてくださいね
「3っつの袋」ですね?「金玉袋」と「カンガルーの袋」と「魚の浮き袋」でしたっけ?違うか。

>hさん
ここに情報をお知らせしますね。
①1月10日、来日ドイツ人シュタイナー教師によるゼミナール
②2月20日、高等部のオイリュトミー発表会
③3月6日、学習発表会(基本的に全学年)、 八年生のプロジェクト発表会

が、予定されています。①と②は有料(多分)、③は無料です。
詳しくは私のリンク集から学校の公式hpを御覧下さい。
他に知りたい事等ありましたら、またコメント下さい。
ご都合が合いましたら、是非是非おいで下さいね~^^もしいらしたら、声をかけて下さいませませ~σ.σ
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
>hさん
是非是非~^^
私も行く予定ですので、見かけたらどうぞよろしくです~。。(軽薄な金髪が目印です^^;)

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