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HOME>シュタイナー学校の日常

初めて遅刻した朝に

目下の所、娘・ぴーぽこ(仮名)はまだ学校を欠席した事が無い。
環境が変わって間もない初めの頃こそ「幼稚園の方がいい~」などと云ってはいたが、馴れてしまえば毎日が楽しみの連続のようで、学校に行きたくて仕方が無い、といった按配。

羨ましいことこの上ない。私なんぞは学校に行きたくなくて仕方がなかった。
いじめを受けていた時期もあったが、いじめられていようがいまいが、そんな事はお構い無しに、兎に角学校自体に行きたくなかった。
月に一度のペースで入院していた私は、発作が治まり、体力が回復してくると、嬉しいと同時に「もうすぐ退院して、再び学校生活が始まる」という事が、憂鬱で仕方が無かったものだ。

ぴーぽこが通うシュタイナー学校では、「うちの子はどんなに熱があっても学校に行きたがる」、という話をよく耳にする。また、私自身もそうなのだが、「自分がこの学校に通いたかった」と語る母も多い。
世間では「不登校」が深刻化していると聞くが、この学校の子供達は概ね「逆・不登校」である。
…「逆・不登校」って、それは普通に「登校」か。

さて、現在無欠席のぴーぽこだが、一度遅刻した事がある。
その日、ぴーぽこは腹痛を訴え、学校を休ませようかと様子を見ていた。が、ぴーぽこ自身は学校に行きたがり、実際お手洗いに行った後は目に見えて回復したので、休ませない事に決定。
学校に事情を連絡し、三十分程遅れる事を伝える。

この学校では、「遅刻」については非常に気を遣わねばならないのだ。

子供達は登校後、掃除を済ませて暫く遊ぶ。その間に到着すれば問題無いのだが、八時三十分から始まるエポック授業が開始されていると、おいそれと入って行く訳にはいかない。

エポック授業は、子供達が輪になって身体を動かす所から始まる。
動きながらメルヘンの詩を朗読したり、お手玉を使ったリズム遊び等をするのだ。
クラス会の時に、我々父兄も実際にそれらをやってみたのだが、最後にお手玉を頭の上に載せ、一人ずつ前に進んで、お辞儀をする様にして手を使わずに頭上のお手玉を真ん中の籠に戻す、これなど楽しいながら、なかなかの集中力を要する。

何故授業の前にこんな事をするのかというと、子供達を勉強しやすい身体に持ってゆく為だ。
子供によっては、学校に来る前に親に叱られたショックが尾を引いているかも知れない。
また、前の夜、夫婦喧嘩を目撃した不安が残っているかも知れない。
「急ぎなさい!」とせかされて登校した子もいるだろう。
登校中、町の喧騒に曝された子、図らずもショッキングな場面に出くわした子…。

様々な事情で、硬直した子供達の身体を緩ませ、また、緩みすぎている子は引き締めて、子供達がすんなりと学習に入って行ける身体に戻してやるのだ。
そして机に座り、エポックノートと蜜蝋クレヨンを出し、授業が始まる。

こんな最中に、
「待たせてソ~リィ~!待たせてゴ~メン!」
等と歌いながら教室に子供を送り込もうものなら、全てぶち壊しである。
何も野村義男の物真似をする必要は無いが、いずれにせよ勝手に入って行っては子供達の集中を途切れさせてしまう。

この様な時には、教室の外で待機し、タイミングを計る。今なら大丈夫、という時に、先生がそっと子供を招き入れてくれるのだ。

遅刻して学校に着くと、まさにエポック授業が始まっている最中。
私とぴーぽこは盗人親子の様に足を忍ばせ、教室に向かう。
初めての遅刻、勝手が分からない。外からそっと中のウール先生(仮名)に目配せするべきか。
近付くと、薄桃色のカーテンが閉まっている、これでは目配せも出来ない、どうしたものか、と躊躇う矢先、一陣の風がカーテンをくすぐる。ふわりとたなびくカーテンの向こうの、一人の子供と目が合った。
刹那、

「あ!ぴーぽこちゃんが来た!」

と駆け寄る子供。
ぬかった、しくじった、見付かってしまったか。教室はたちまち騒然となり、十三人の一年生全てが一斉に出て来て、口々に「ぴーぽこちゃん、おはよう!」と出迎える。
まるで熱烈歓迎パンダちゃん、といった様相に、ぴーぽこは照れてニヤニヤと俯き、私は授業を中断させてしまった不覚と子供達の歓迎の嬉しさに、胸中、複雑。

そこに春風の様な笑顔のウール先生登場、
「丁度良かったです。今、教材の準備をしていたところだったんですよ」
つまり上記のリズム遊びが終わり、これから席に着いてクレヨンを用意、というところだったらしい。図らずも良いタイミングで風が吹いた訳だ。

ウール先生に促され、子供達は準備の続きを始め、ぴーぽこも面映そうに教室へ。

帰路、子供達の姿を何度も思い出す。クラス中の子供達が、全員で出迎えてくれる。そんな仲間達が待つ学校に、行きたがらない筈はない。

今後、子供達の成長と同時に、色々な問題がクラスで起こるだろう。
だが、この子達は、皆でそれを乗り越えて行ける。
そう感じた朝。
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コメント

逆・不登校バンザイ
うんうん。
子供が学校に行くのを嫌がらない・・・何より安心・・・かなぁ。
っていうか、行きたがらない・・・のはとても心配だよね。
幼稚園と違って担任の先生とも密に連絡とれるわけでもないし。

うちは1年生のとき毎日大喜びで学校に行ってたのが
あるとき2日連続でスニーカーを隠されてしまい
“学校行きたくない”発言が出てしまったの。
目に見えない相手に怯えるっていうのは・・・つらいです。
私も。本人も。

もう気が済むまで休めばいいやとか思って休ませたのだけど
けっきょく金曜日一日休んで、土日はさんで
月曜日にはケロっとして登校してくれて・・・
よかったなぁ、ありがたいなぁ、と思ったことでした。
熱あっても行きたがる
ぴーぽこちゃんの面映ゆそうな顔と言うのが想像できました。ウール先生、素敵(^-^)/

先週土曜日から扁桃腺を腫らしていたうちの息子は、やめなさいと言っても「宿題やる~~~~」と起きて宿題をしたり、「エポックだけでも行く~~~」と、這うようにして月曜日登校し、とうとう先生から禁止令が出ました。「休むのが宿題です。」だって。
昨日木曜日、本格的に復帰しました。
今日はオイリュトミー発表会。
私は見たかったけど父の介護で札幌に来たので、見られないや…。
解禁された白い恋人、みやげに買って火曜日に帰ります。
遅刻、できないー
乙女っちも知ってるよーに、ちびの学校は神奈川のチベットにあるので、朝のバスを逃すとお昼近くまでバスがないのだあー。
しかも駅から徒歩40分だから歩く気力なし。
(歩いてる人もいる。わたしには無理ー)
ちびも台風で学校が休みになったときに、「学校行きたいよー」って言ってたよ。
わたしだったらわーい休みだーって大喜びなのにね。
>ちゃい蔵さん
そうか…私は送り迎えその他でしょっちゅう担任の先生に会ってるし、連絡帳のやりとりも毎日、子供に何か問題があった時は直接電話が来るので、むしろ幼稚園の頃より先生とは密です^^;
スニーカーの件、お子さんにとっては既に過去の事でしょうが、ショックだったでしょうね…。
隠した子はクラスメートだったのかな?そんな小さいうちにそんな陰湿な行為に及ぶとは、その子の中で何が起こっていたんでしょうね。。いじめた子も内面の問題が解決しているといいのですが…。
お子さんを休ませた事、きっと良かったでしょうね^^そんな状況で無理に学校に行かせるより、気が済むまで休ませる、英断だと思う^^
きっとお子さんは、「かぁちゃんは僕のこと解ってくれてる」って、勇気付けられたんじゃないかなぁ。。

>25さん
「休むのが宿題」って、S先生が云ったの?いいこと云うねぇ^^
本当に「熱があっても行きたがる」って、この学校じゃよく聞くね。
先日のゼミナール、通訳のM先生、インフルエンザにも関わらず「行く」と云ってたらしく、母・T.T.T.先生に阻止されたとか^^まったく子供のみならず先生まで^^
介護お疲れ様です。孝行娘ですねぇ、25さんは。。お父さんもきっと嬉しいでしょうね。。
「白い恋人」、解禁早々だからむしろ安全?^^
「偽装」はよくないけど、原料を粗末にしない、という意味では、難しいね、線引きが^^;

>あいぴょんぴょん
そ、そんなにバス少ないんだ…。でも歩くの好きな私だったら、普通に歩くかも^^;問題は一年生の体力だよね。って、あの幼稚園で鍛えられてるから子供は平気かな^^;
ちびくんも学校楽しそうで何より^^
私も子供の頃は台風近付く度に「学校休み!」って楽しみにしてたなぁ。進路がそれたり夜の間に通過したりした時のがっかり度合いったら…(--;
はじめまして
mixiのシュタイナーコミュよりきました。
ecoと申します。

クラスのみんなが出迎えてくれるの、とっても嬉しいですね。
うちはまだ2歳ですが、公園で友達に出迎え(?)られると、
それだけでご機嫌。狂喜乱舞です。

「皆でそれを乗り越えて行ける」
そう信じているお父さんの存在も、大きく感じます。

では、またお邪魔します!
>ecoさん
御来訪有難う御座います~。。
お子さん、2歳なんですね~。。うちの娘が2歳の頃なんて、今思えばあっという間でした^^;もっと色々してあげたかったな~、と、今になって思います(--;
お子さんが公園でお友達に囲まれて喜んでいる様子、目に浮かぶようです^^可愛いだろうなぁ。。

クラスの子供達、ちょっとした喧嘩ぐらいはあるけど、皆、びっくりするぐらい優しくて、仲良しなのです。こういう幼少期を皆で過ごした経験って、きっと後々に問題が起きたとしても、それを乗り越える力になるんじゃないか、そんな風に思えます。。
是非、またおいで下さいね~σ.σ

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